2014年12月26日金曜日

2014.12.15-22瀬戸内海カヤックトレーニング後記 加鹿編

私たちは普段、伊豆半島でシーカヤックガイドをしていますが、
冬の西風が吹くととても海に近づけません。
そこで、瀬戸内海なら漕げる!という話を聞きつけ いざ出陣。
来たる12・15
かねてカヤックカー達の為にあるのではないかと言われるほどの瀬戸内海
大小全て含めると3000もの島があるらしい、そしてその昔、船での商業が盛んだった頃
名だたる船頭、海賊達が,航海し、そして今もなお大型船が行き来している。

私たちは7日間漕ぐに当たって、出発地を広島県厳島神社に決め車を走らせました。
そして到着地点を香川県高松市の屋島に決め約200km以上を漕ぎ抜きます。

が・・・行きの車内で天気図を見て仰天 なんと翌日から爆弾低気圧がいらっしゃるとのこと
 何日間か停滞が予測されるので厳島の牡蠣は諦め、尾道の牡蠣にすることに
ということで出発地が広島県尾道市の向島のキャンプ場からスタートです。


*1日目は昼過ぎにキャンプ場に到着



荷物を降ろし、軽めに島の周りをちょろっと回ります。明日からが本番だ。



*2日目 『雪の街 尾道』 雪 暴風 




朝起きてびっくり、雪です。漕ぐかどうか一瞬だけ迷い、停滞を決意。
何しようか迷いましたが、ここはしまなみ海道。島ごとに自転車が借りられ、しかも何処に返してもよく、しかも1日500円とお安くなっています。
よしっ 自転車だ。
ということで因野大橋から尾道の街中と雪の中走り抜きました。
牡蠣に広島焼きに、前日に尾道ラーメンと尾道3部作頂きました。
ちなみに滅多に雪なんて降る土地ではないようです。

向島キャンプ場→向島キャンプ場  36km

*3日目『タイムスリップ鞆の浦』 晴れ 西風7-8m 若潮



今日はカヤックするぞ! と朝一テントをしまいましたが、未だ西風止まず。
が昨日程ではないので本州沿いに鞆の浦までは行けるだろうとのことで
不安と期待の心中で出発。
瀬戸内海ではうねりは無いが潮流があると、聞いていたが、結局漕いでみないと判らない。
鞆の浦まで西風の影響少なく行けた。
潮流は普通に漕いでる分にはよく分からない。が瀬戸と呼ばれる流れの早い場所だと感じる程度でした。
その夜、村上水軍の村上さんにお話を伺いに。
瀬戸内の海のルールや海の特徴、カヤッカーとしての心持ち、冬はきついよね話などを
伺い、大変参考になりました。

向島キャンプ場→鞆の浦 仙酔島  23km

*4日目『THE DAY』 晴れ 西風 2-3m 中潮



今日は最高だーとできるだけ早く出発したいのですが、5時半に起きても朝飯食べて
撤収、パッキングとしているとなんだかんだで7時を超えてしまう。
今日は単独でのツーリング 自分の行きたいところへ気の向くままに、自分のペースで進んでいくがそれに伴い風、波、潮、大型船などの要素を体で感じながら、自分の技量に合った道なき道を
選択していく。 それが楽しいのです。
瀬戸内海は真ん中で潮流の向きが真反対に変わる分水嶺が広島と岡山の県境にあるのだけど
正直なんとなくしか分からなかった。 時間帯も大いに関係していると思う。

鞆の浦 心酔島→香川県 丸亀市 塩飽諸島 本島  42km

*5日目『ずぶ濡れの子犬』雨 北東風4mのち西風5m 大潮



朝一番、瀬戸大橋を超えるに当たって本線航路を渡ることになるがまず船の大きさに驚く
あの船から見たカヤックなんて落ち葉のゴミ程度だ。絶対認識されていない。と思ったが
以外と見えているらしいしかなりの徐行だ。
けれど怖いので右見て左見てまた右見てとなかなか決心がつかないが、出発したら本気で漕ぐ。
村上さんにちゃんと後処理をすれば焚き火をしても良いと聞いたので、今日はワイルドに
焚き火の出来そうな場所を探しながら行く。
時間とキャンプ地を天秤にかけながらまだ先に良い場所があるはずだと選択していく
そして時間は少し早かったが豊島に決めた。そこは昔のリゾート地のような場所で
完全に廃業していると思っていたら(本当にすみません)、テントを立てている最中に、リゾート地の管理者が現れ、今年で廃業になるらしい、つまりまだやっていたのだ。(本当にすみません)そしてずぶ濡れの子犬の私を見て、部屋を貸してくれると言いました。
『へっ!?』その瞬間私のワイルド心は浄化され、暖房の効いた部屋で『有線大賞』を楽しみました。(後日お礼しました)
 人生と同じで何かの因果で自分の選択した以外の道も行ってしまうこともあるのですね。
まあ それも良しということにしましょう。

塩飽諸島 本島→ 香川県 直島諸島 豊島  35km

*6日目 『すれ違いの恋』晴れ 西風7-8m 大潮



今日は室内スタートですので朝早くに出発。(それでも7時ちょい前)念願の
『朝日を海の上で拝む』を行い(大変神々しい景色でした。)西風に押されながら
小豆島を目指します。5目になると潮と風の関係を理解しました風と潮の流れが逆だと
ギザギザの波が立ち、更に潮と風の強弱によって波の大きさが変わります。
すなわち風が小さくても潮が速く流れていると波が立つようです。
朝、相棒から小豆島の鹿島という浜で待ち合わせになっていたのですが、一向に来ないので迎えに行くことに。行けども行けども相棒は現れません。
すれ違ったのです。  
自分の事ばかり考えていてはいけません もっと利他的にならないと。
まあすぐに合流し小豆島のカヤック屋さん自然舎さんの経営するカフェで
『おひるねカレー』を頂きすっかり夢心地。
午後はギネス認定 世界一狭い海峡 土渕海峡(幅9、93m)を渡りフェリー乗り場まで漕ぎました。その間ずっと香ばしい匂いが漂い、匂いの元に誘われます。
海峡の先に現れたのはみんな大好きごま油製造工場。 
作戦会議の末  明日西風が強まりそうなので、四国へ渡るのは無理だと判断し
その夜フェリーで高松へ渡りました。
高松の夜景が近づいてくるにしたがってここをカヤックで渡りたかったなーと悔しくなりましたが時間が限られているので、ごま油の香りだけが鼻に残り、この恋は実りませんでした。

直島諸島 豊島→香川県 小豆島 ごま油工場 28km

*7日目『渦潮トランス』晴れ 西風10m 大潮


せっかく瀬戸内海に来たのだから満潮と干潮の差が一番開いたときが徳島県鳴門で見られるということで、鳴門へ。情報を聞きに鳴門でカヤックガイドをされているホライズンの尾崎さんに会い
潮流の事や海のポイントを聞くが一番興味深かったのは、ミニベロという折りたたみ自転車のことで、値段の良いものになると持ち運びに長けているし、タイヤの割に速度も出るし、尾崎さんは1日100kmぐらいは漕ぐという。街中、島など持ち運びながらツアーをするらしい。
ほ、欲しい。
それはさておき渦潮の最高潮流時間に合わせ、観潮船なるものに乗り込む
まず潮と風だけでこんな波が立つのかーと驚いた。(波乗りできるほど)
そんな中渦潮の中に30人乗り程の小型船で突っ込む。
風はすごいし、渦がどこだか分からないぐらい荒れてるし、海に段差はあるし、阿波踊りの音楽がボリューム大でかかっているわで完全にトランス状態になり、素晴らしいところです。
その後鳴門市ウチノ海にある堀越海峡に移動
ここでは潮の流れがカヤックで体感できるということで近くの漁村から出艇し、1km程漕ぐと
橋の下白波が見える、流れとるー
そこで小一時間遊んだのでした。
後にそこは船の通る所なのでささっと通らなければいけない場所らしい。
その日は海が荒れていたので偶然船が通らなかったようです。

徳島県 鳴門市 ウチノ海 撫佐→堀越海峡   2km

全漕行距離 130km  
広島県尾道市向島→香川県小豆島 + 徳島県堀越海峡

自転車走行 36km 
広島県尾道市向島→尾道市街

・村上水軍商会 村上さん ・自然舎 山本さん ・小豆島 水島仁さん ・豊島 錦戸さん
・ホライゾン 尾崎さん
ちょっとした情報でも安心、期待しましたし、楽しいひと時は貴重な思い出となりました、
大変お世話になりました。ありがとうございました。

今回決められた時間の中でどこをどう漕げるか、少しずつ情報を集め地図上で仮想的に漕ぎ
実際に海に出て答え合わせをする。ただそれだけのことだけれど実際に行ってみると、
気温の変化、着る服、飯の種類、キャンプの場所、体調、潮の動き、船の大きさなど数え切れないほどの要素が複合的に関係し、とてもひとつひとつを完璧になんてやっていられなくなる
そこで諦めていく作業も大事になってくると同時に我慢も必要になってくるこの作業全てひっくるめて『旅』になる。
なんだか大変そうに書いてしまったが、誰でも自分の身の丈に合った旅をすれば良いと思うし、
なにしろとっても楽しすぎる。ので『旅は最高だ』と言いたいです。
今回のトレーニングの企画を受け入れてくれると同時に手厚いサポートをしてくれました。
武田正志さん 今回一緒に漕いだ相棒の倉原卓也君



ありがとうございました。 加鹿 拓巳 

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